オスンラデ。現在のハウス・シーンに欠かせないひとつのアイコンとして存在する彼は、シカゴに近いセント・ルイス出身で、シカゴ・ハウス創成期からハウスを聴いて育った。 セサミ・ストリートのテレビ・ショウに提供した楽曲をきっかけにメジャー・レーベルで華々しくキャリアをスタートしたのが17歳。その後7年間パティ・ラヴェルやフレディ・ジャクソンら大物アーティストをプロデュースし精力的に活動したが、自身の音楽を追及したいという気持ちを抑えきれず、1999年インディー・レーベル〈yoruba records〉を設立。同年リリースされた“Closer I Get” Marie St. Jamesが、ニューヨークの伝説的パーティ〈Body&SOUL〉でヘヴィー・プレイされただけでなく、ジャズ、クロスオーヴァー方面からも絶大な支持を受けハウスの枠を超える異例の大ヒットとなり、一躍そのレーベル名とオスンラデ本人に注目が集まるようになる。またその2年後にはTortured Soulのデビュー2作目“I Might Do Something Wrong”のリミックスが息の長いヒットとなり、以降オスンラデの作品は常にリスナーの注目を集め、それにともない〈yoruba records〉も抜群の信頼をもって支持されるようになった。 02年に初来日。アフリカの宗教の司祭でもある彼は、鼻に長いヤマアラシの針を刺してDJに臨み、その個性的なルックスと音楽性で超満員のフロアをヒート・アップ。最近では、07年老舗ハウス・レーベル〈ストリクトリー・リズム〉復活の目玉として彼のアルバム『Elements Beyond』が発売され、ここからシングルカットされた“Momma’s Groove”がヒット。〈yoruba records〉は彼自身の作品のみならず、ほとんど無名のアーティストの楽曲を次々とヒットに結びつけるプロデュース能力と審美眼の高さが評価され、特に現在大ヒット中のAfefe Ikuなど、ハウス、クロスオーヴァー界のみならずテクノ方面からの注目を集めるレーベルまでに成長した。またDJも評価が高く、現在のニューヨークのハウス・パーティの代表格ともいえるDanny Krivit主催の〈718sessions〉に今年ゲスト出演が決定し、話題となっている。
20094月10日発売
KCD-269